アウトリオンの西村です。実は私は今を遡ること数十年前に(工業高校の機械科に在籍中)尊敬する設計の先生から聞いたあるエピソードが忘れられずにおります。

それは、ロータリーエンジンの開発に纏わるエピソードでした。ドイツの今となればメジャーのひとつアウディ(アウトユニオン社)の草創期に合併されたNSUという自動車メーカーとフェリクス・バンケルという技術者が創立したバンケル社という2つの企業の研究開発によりロータリーエンジンという画期的な原動機が開発され、その原型は生まれています。

しかしその効率や画期的な構造を実現し実用化するには素材に於ける問題、強度や耐久性など、様々な問題があり完成を見るも実用化の目処が立たなかったと言う歴史があります。

ドイツもアメリカもいくつかの企業や研究者によりこの画期的なエンジンを世に送り出したいと挑んでいた所、結果的には日本のマツダがその量産にたどり着けたたったひとつの企業となった、と言った話でした。ロータリーエンジンには素晴らしい能力を発揮できる仕組みがあるのですが、それを市販で実用化するには実は大変大きな課題が3つ程立ちはだかっていたと言われます。

そんな中、何故マツダだけが成功したのか?その核心の部分は流石にわかりませんが、その高校の時の先生はこう言ってました。どのメーカーも諦めてしまったが、マツダは諦めなかった。だから偶然に近い状況でそのいくつかの課題を解決できるチャンスにたどり着けたのだ、という話でした。

下記参照資料ーーーーーーーーーー

1985年までに、ロータリーエンジンの研究に携わっていた各メーカーが開発した特許件数は

これに対してマツダの開発した特許は1,302件にのぼる。

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この事実には感動すら覚えますよね!

私が社会人になる頃、決して人気のあるブランドでは有りませんでしたが、ここ最近のマツダの業績の向上振りは素晴らしいものを感じてます!

デザインも優れてますし、少し前になりますが、私もディーラーに勤務しておりましたが、フォルクスワーゲン社のディーゼルエンジンのデータ改ざん事件に端を発した一連の問題の中で、結果として他のメーカーのディーゼルエンジンはどうなのか?との疑問が立ち上がり、世界中のメーカーのディーゼルエンジンが評価されました。その中で、唯一マツダのクリーンディーゼルだけがメーカーの公表値よりも優れた環境性能を持っていたというニュースが西村の目にも飛び込み、今でもはっきりと記憶してますが、その数値もギリギリとかでは無く、世界基準の推奨値を大きく超えた数値での実現であったことが驚きでした!

開発のエピソードに触れる機会があり知った事ですが、日本の他の大手メーカー達がこぞってハイブリッドの開発に大きく舵を切った頃に、実はマツダはそっちに向けた研究開発費の捻出が困難と言われていたとか……。で有れば従来より得意としてきたディーゼルエンジンで、燃費や環境の問題を解決しようと言う決断に至ったと聞きました。と言うよりその選択しか無かったのかもしれないですが…………。しかしそれが功を奏した原因だとすると、それはそれでとても素晴らしい事と思いませんか?

当時のロータリーエンジンを開発した頃の企業の気質が未だに息づいているんだろうなぁ?と感じました。

そんなこんなで、アウトリオンと西村は日本国内の自動車メーカーさんの中ではマツダさんがとても気になってます!

そんなマツダさんからのまたワクワクするニュース!ちょっと気になりませんか?皆さんで見てみましょう♪

マツダが開発する直列6気筒SKYACTIV-Xエンジンが狙いは逆転の発想。ライバルはBMW、メルセデスの2.0ℓ直4ターボだ

マツダが開発する直列6気筒SKYACTIV-Xエンジンが狙いは逆転の発想。ライバルはBMW、メルセデスの2.0ℓ直4ターボだ

マツダが中期経営方針のなかで計画を表明している直列6気筒エンジンと後輪駆動(FR)。マツダがプレミアムなブランドになるための重要なステップとなる直6+FRについて、どんな直6になるのか。Motor-Fanではさまざまな推測をしてきたが、エンジンの専門家から示唆に富む新しい視点での推理をしていただいた。発想の転換とも言える「新しいマツダ直6像」について、考えてみる。

マツダのSKYACTIV-Xは、エンジン技術者の夢のひとつであるHCCI(予混合圧縮着火)をSPCCIという新しい燃焼技術でブレークスルーしたエンジンだ。SPCCIとはSPark Controlled Compression Ignitionの略で、火花点火制御圧縮着火である。

革新的エンジンゆえの産みの苦しみをマツダ開発陣はいま味わっているのだろう。当初2019年10月発売だったSKYACTIV-Xエンジン搭載車の発売は2ヶ月先延ばしになっている。

さて、話題は2.0ℓ直4SKYACTIV-Xではなく、その先に登場が予告されている直6SKYACTIV-Xだ。Motor-Fanでは直6SKYACTIV-Xについてさまざまな可能性を考えてみた。

このなかでも

超リーンバーン、超高圧縮比エンジンであるSKYACTV-Xエンジンの直6版と考えると、直4SKYACTIV-Xの出力90ps/ℓ、トルク112Nm/ℓで直6SKYACTIV-Xは270ps/336Nmというスペックになってしまう。これでは、直6の老舗であるBMWやメルセデス・ベンツの3.0ℓ直6ターボと比べて、だいぶ見劣りがしてしまうのではないか、と懸念した。

2.0ℓ直4SKYACTIV-Xのスペックはこうだ。

SKYACTIV-X(欧州仕様)

シリンダー配列:直列4気筒 排気量:1998cc

ボア×ストローク:83.5 mm×91.2mm

圧縮比:16.3

最高出力:180ps(132kW)/6000rpm

最大トルク:224Nm/3000rpm

給気方式:スーパーチャージャー

燃料供給:筒内燃料直接噴射(DI、トップマウント)

カム配置:DOHC 使用燃料:RON95

この4気筒を単純に6気筒にすると前述したように

排気量:2997cc

最高出力:270ps

最大トルク:336Nm

となるわけだ。

ライバルのBMW B58型3.0ℓ直6DOHCターボエンジンはいくつかバリエーションがある。

B58B30M0 326ps/450Nm

B58B30O1 387ps/500Nm

S58B30T0 510ps/600Nm

326ps/450Nmからもっとも高スペックなS58型では510ps/600Nmになる。

現在もっとも設計が新しいメルセデス・ベンツのM256型3.0ℓ直6DOHCターボは

M256E30 DEH LA GR 367ps/500Nm

M256E30DEH LAG 435ps/520Nm

というスペックがある。

400ps/500Nmという先達に直6SKYACTIV-Xはどう立ち向かうのか? 商品力でまったく太刀打ちできないのではないか? と考えたのだ。

そこでまったく新しい視点から、「そうじゃない。マツダの狙いはそこじゃないんじゃ」と話してくれたのが、畑村耕一博士である。

ご存知のとおり、畑村博士は1993年発売されたユーノス800に搭載された、量産車世界初のミラーサイクルエンジン、KJ-ZEM型V6エンジンの開発者だ。

畑村博士はこう述べた。

「直6SKYACTIV-Xの競合車は、メルセデス、BMWの直6ではない」

という。では、なにか?

畑村博士は、こう続けた。

「メルセデス、BMWは、もともと3.0ℓ直6自然給気に代えて、2.0ℓ直4ターボのダウンサイジングを導入したわけです。ダウンサイジングしたことで、NEDC燃費が良くなることと低速からのトルク増大で圧倒的によく走るというのが狙いでした。直6NAから直4ターボでコストは若干高くなっていたはずです」

たしかに、BMWでいえばかつての3.0ℓ直6NAエンジンN52型は

N52型3.0ℓ直6DOHC 最高出力218〜272ps/最大トルク270〜315Nm

だった。

その代替だった2.0ℓ直4ターボエンジンのN20型、B48 型は

N20型2.0ℓ直4ターボ 最高出力184~245ps/最大トルク270~350Nm

B48型2.0ℓ直4ターボ 最高出力184~258ps/最大トルク290~400Nm

となっている。つまり、現行のメルセデスやBMWの3.0ℓ直6ターボは、4.0ℓV8自然給気の代替エンジンなわけだ。

畑村博士は続ける。

「マツダの場合はその逆で、4気筒ダウンサイジングターボの市場に殴り込む6気筒です。スーパーチャージャーが付くので走りに関しては対抗できる。好みによって昔ながらのトルク特性が好きな人も大勢いる。ターボラグのない走りは強い商品力になる」

つまり、直6SKYACTIV-Xのライバルは、BMW、メルセデス・ベンツの2.0ℓ直4ターボなのだと博士は言う。

マツダSKYACTIV-X 3.0ℓ直6 270ps/336Nm

BMW B48 2.0ℓ直4ターボ258ps/400Nm(BMW330i)

メルセデス・ベンツ2.0ℓ直4ターボ 258ps/370Nm(E300)

とほぼ拮抗する。しかも、直6SKYACTIV-Xは、振動特性が直4より優れる。機械式スーパーチャージャーでターボラグはない。フィーリングではライバルに勝る。

畑村博士は

「SPCCIの高コストはいずれ許容レベル(通常DI+α)に低下する。その分はCAFE対応コストとして処理する。競合他社は電動化とディーゼルでCAFE対応するので、コスト的にも勝目はある。マツダは、世界シェア2%の企業なので、走りの向上に対してスーパーチャージャー分の価格上昇を認める人も充分な数存在する」

と言う。

同じ直6同士で比較して、ターボ過給のメルセデス、BMWに勝てないと考えるのではなく、マツダの直6は2.0ℓ直4ターボの対抗なのだ。博士が言う

「4気筒ダウンサイジングターボの市場に殴り込む6気筒」

逆の発想なのだ。そう考えれば合点が行く。

さて、畑村博士の結論だ。

「SKYACTIV-Xは当面は目玉エンジンであると考えると、SKYACTIV-Gの縦置き6気筒化で、クルマのプロポーションと重量配分は画期的に良くなる、FR化による操舵感はFFに圧倒的に勝る。3.0ℓ直6SKYACTIV-XをNA6気筒と考えると、ライバルの2.0ℓ直4ターボにトルクでは勝てないが、マツダのユーザー層ならNAでも満足してもらえる。WLTP燃費になれば直6SKYACTIV-Xは2.0ℓ過給ダウンサイジングターボに勝てる。そして、競合車の4気筒ターボより直6SKYACTIV-Xは、コストが安い」

畑村博士の結論はこうだ!

⇒マツダ車のCX-5以上はすべて6気筒を標準エンジンにしてしまおう、というのが結論!

CX-5、CX-8、CX-9のSUV、マツダ6、そして今後登場する上級クーペ、スポーツカーなど、マツダのLarge アーキテクチャーを使う後輪駆動車のスタンダードなエンジンが3.0ℓ直6SKYACTIV-Xになるという見立てだ。いかがだろうか?

出展 MotorFan